儚さと強さが共存する、奥ゆかしい女性像を纏う墨染ブラウス
繊細な薄墨で染め上げられたショート丈のコットンレーヨンブラウスは、儚げな美しさを湛えながらも、凛とした強さを感じさせる一着です。
目を引くのは、着物の襟を模した別仕立ての手描き襟。高く立ち上げた襟は、日本の女性が持つ奥ゆかしさと気高さを象徴しています。
スカート部分は、墨染めを施したコットン生地をパニエに閉じ込め、ふわりと広がるシルエットを演出。後ろ身頃には、異素材である鹿革をあしらい、和と洋の美意識を融合させました。
特筆すべきは、ブラウス以外のパーツを全て「四角」で構成した点です。四角という制約の中で、いかに女性の美しさを表現するか。その挑戦から生まれた独創的なデザインは、見る者を惹きつけます。
儚さと強さ、和と洋、そして伝統と革新。相反する要素を巧みに組み合わせることで、奥深く、多面的な女性像を表現したこのブラウス。纏う人の内なる美しさを引き出し、見る者の心を捉えて離さない、そんな力強さを秘めています。
Designer：墨染工匠 美之 -miyuki-
Model：彩耶 aya
HairMake：五百井 瑞樹
Photographer：衣川 義則